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WIRESノード局(ノード局)を運用する際のトランシーバ

WiRESは「アマチュア無線の活性化」をテーマとしている関係から、WiRESを利用したり、ノード局を運用するためのトランシーバはどのメーカーの製品でもOKなのですが、いくつかの注意点があります。このページではWiRESノードに実際に使えるかどうか試したり使えるという情報を得た無線機をリストアップしています。

WiRESノード局運用ができるトランシーバの要件

6ピンMiniDIN仕様のデータ端子がある事
VUHF帯のモービル機や固定機の多くに、パケット通信用モデム(TNC)の接続用に6ピンミニDINジャックがついています。これは今から約20年前のパケット通信全盛期に一般化したもので、今でも多くのトランシーバににそのジャックが装備されています。
 WiRESのインターフェース(HRI-100)はこの「データ端子」を利用して音声などの入出力、PTT操作をおこなう他、ここに出力されているスケルチ信号(スケルチが開いたときに+5Vが出力される)でネット側へ送信する信号かどうか判定しています。

データ端子の様子

スケルチ信号(SQL)がトーンやDCSと同期していること
上記データ端子のSQLライン(6番ピン)にスケルチが開いた際に+5Vが出力され、その信号がトーンスケルチやDCSの動作とも連動している必要があります。特に都市部でノード局を運用する場合は必須です。
 
古いトランシーバはこの要件に添わないモノが多くあります。現行機でもアイコムのIC-2820やケンウッド社のトランシーバ(TM-V71, D710を除く)はSQLラインの信号がTSQやDCSと連動しませんので、お勧めできません。


ナローFM対応が望ましい(都市部)
VoIP区分が混雑している地域では、10KHzステップでの運用が一般化しつつあります。ナローFMモード(スーパーナローFMモードとも呼ぶ)では10KHzステップで運用してもサイドからのカブリが軽減されるので快適な運用が可能。但し、ナローFM対応と唄っていても、送信のみがナローFMに対応しているだけのトランシーバがあるので要注意。スーパーナローFMモードの詳細はこちら





↑WIRES-IIコントローラーHRI-100

★データ端子がない無線機やスケルチ信号がトーン・DCSと同期しないトランシーバで運用したい場合


トーンスケルチ機能があるトランシーバの場合

ちょっとした付加回路を自作すればOKです。付加回路としては、どれでもWiRESや、JG3EBBさんのWEBに掲載されている回路がお勧め。この場合、音声ラインは無線機のSPとマイク端子で入出力すればOKです。
トランシーバ内部からスケルチ信号を取出すなどして対応する方法もあります。詳しくはこちら

トーンスケルチ機能がないトランシーバの場合

ソフトウェアでTSQを認識するシステムがあります。
SoftTSQ

汎用のトーンスケルチ回路を自作する方法もあります
MsFB/ToneDecoder
いずれも JM7MUU さんが開発したものです。

★資料
データ端子と各社マイクコネクタピンアサイン

その他のアドバイス
トーンデコーダ機能を利用した場合の便利機能
同一バンド2波同時受信機能(V&V,U&U機能)付きのトランシーバを利用し、片方のバンドでTSQをOFFにして周波数をモニターできるようにすると便利です。→説明
ルームに接続する機会が多いノード局
ファン付きのハイパワー機を、20W以下の出力で運用されることをお勧めします。普通のトランシーバは長時間の連続送信に耐えられるようには設計されていません。
トランシーバは予告無く改良されている場合があります
トーンスケルチやDCSの性能(抜け具合)、データ端子のAF回路などが改良されている場合があるかもしれません。製造時期が新しい物を買うようにしてください。


都市部でのノード局運用に最適
バーテックス・スタンダード FT-8800(H)
144/430MHz帯におけるノード局運用・ノード局利用については、これを利用すれば間違いないと言えるでしょう。
おすすめ度 ★★★★★
メリット
 ・スーパーナローFM(送受信)対応
  (セットモード46で設定)

 ・ノード運用の定番リグです。
 ・ハイパワータイプにはファンがあります
 ・トーンスケルチ・DCS運用が可能です
 ・V&V/U&U機能で運用周波数の監視が可能

※ご注意! 初期ロットは避けてください




バーテックス・スタンダード FT-8900(H)
29-430MHzの4バンド機です。29/50MHz帯でのWiRESノード運用ならこれをお勧めします。六甲山の29MHz/FMレピータの送受信部にもそれぞれ使われています(左下写真)
おすすめ度 ★★★★★
メリット

 ・スーパーナローFM(送受信)対応
  (セットモードで設定)
 ・ハイパワータイプにはファンがあります。
 ・トーンスケルチ・DCS運用が可能です。
 ・WIRESノード局でトーンスケルチ運用可能
  (但し、初期ロットを除く)
 ・V&V/U&U機能で運用周波数の監視が可能
デメリット
 ・スーパーナローFMは左バンドのみ対応です
注意点
 ・初期ロットではトーンスケルチを使ったノード局運用
 ができません。中古品を入手する場合にはご注意を

 ・スケルチの引きずりがでる場合は、RFスケルチをS-2
  にして、スケルチを右側いっぱいに回しきってください。






Kenwood TM-V71(S)
EchoLinkのノード局運用を意識した仕様になっている無線機ですが、WiRESノード局用無線機としても利用可能。WiRESノードアクセス用としてもノード運用用としてもオススメできる逸品です。
おすすめ度 ★★★★★
メリット

 ・スーパーナローFM(送受信)対応
 ・20W機にもファンがあります。
 ・空冷ファンが静か、発熱状況も良好
 ・データ端子でコントロールするバンドを固定できる
 ・WIRESノード局でトーンスケルチ運用可能(設定要)
 ・V&V/U&U機能で運用周波数の監視が可能
デメリット
 ・EchoLinkモードでWiRESノード局は運用できません
注意点
WiRESのノード局をこのリグで運用する場合には、EchoLinkモードで起動せず、セットモードでデータ端子のスケルチ信号出力を「SQL」に設定した状態で稼動すればOK。この場合、HRI-100との接続にはデータ端子を利用してください。(PC端子は使わない)

郊外でのノード局運用に最適

バーテックス・スタンダード  FT-7900(H)
安定動作。(ハイパワーモデルは2m=50W 430MHz=45W) ノード局に好評だったFT-8900の後継モデルです。
おすすめ度 ★★★★
メリット
 ・WIRESノード局でトーンスケルチ運用
可能
 ・とにかく安くて簡単高性能!!
 ・徹底したシンプル操作
 ・つまみ類もでかくて操作しやすい
 ・トーンスケルチ・DCS標準実装です。
 ・送信のみスーパーナローFM対応


※435.00MHzでは現行法上運用できません。

ALINCO DR-420
 モノバンド機なので価格的にお求めやすいうえ、アクセス用として使う場合、用意しなければならないDTMFマイクが低価格(\4500位)です。
おすすめ度 ★★
メリット
 ・WIRESノード局でトーンスケルチ・DCS運用-
可能
 ・TXCO(高安定)  
 ・20W機はファンなし(静か)
デメリット
 
送信のみスーパーナローFM対応
注意点
 ・DATA端子がD−SUB9ピン(変換コードの自作が必要)
※デジタルモードについて
デジタルモード時、データ端子を使うと送信しない(PTT回路のみ、他は有効)=>ちょっとした外付けI/Fを自作すればOK。またデジタルモードだとDTMFが通らない事が多いので、コントロール用回線をアナログ別回線で構築すると良い。なお、デジタル変調はD-Starデジタルと互換性はありません。






バーテックス・スタンダード FT-7800 製造終了
安定動作。(ハイパワーモデルは2m=50W 430MHz=40W) FT-8800やFT-8900の兄弟機なるも操作性の飛躍的な向上は評価に値します。
おすすめ度 ★★
メリット
 ・WIRESノード局でトーンスケルチ運用
可能
 ・とにかく安くて簡単高性能!!
 ・徹底したシンプル操作
 ・つまみ類もでかくて操作しやすい
 ・ハイパワータイプにはファンがあります→おすすめ
 ・トーンスケルチ・DCS標準実装です。
 ・広帯域受信、空線キャンセラ機能などがついている
 
・DTMFマイクがなくてもDTMFが出せます
デメリット
 ・スーパーナローFM対応は送信のみ
注意点
 ・製造ロットによっては、DCS機能に誤作動有


YAESU FT-100D 製造終了
 #5182D WIRESノードで実験済みです。
おすすめ度 ★★
メリット

 ・トーンスケルチ DCS運用OK
 ・バックライトON/OFF OK
 ・スーパーナローFM対応(デビエーション調整可)
デメリット
 ・ファンの音がかなりウルサイ

 ・HRI-100との相性が有り
報告者
(JS1CYI Tested)
※FT-100Dですのでご注意ください。
※変な周波数が表示されていますが、
HF〜430MHzオールモード機です。


YAESU FT-817
 #5182D WIRESノードで実験済みです。
おすすめ度 ★★★
メリット

 ・トーンスケルチ DCS運用可能
 ・とにかく小さくて場所を取らない
 ・バックライトON/OFF OK
 ・ファンが無いので静かです。(リレーの音はする)
 ・WIRESノード局で使っている方が多いリグです。
 ・スーパーナローFM対応
デメリット
 ・本体だけだとMAX 5Wです。
 ・送信受信切り替え時にリレーの動作音がします
注意点
 ・PKTモードにして運用してください


YAESU FT-857D
おすすめ度 ★★★
メリット
 ・WiRESでトーンスケルチ DCS運用
可能
 ・バックライトON/OFF OK
 ・スーパーナローFM対応
 ・HRDを使った遠隔操作に対応


TM-733(写真提供 JG2TZW)


TM-833

KENWOOD TM-833(V) 430・1200MHz 製造終了
KENWOOD TM733(V) 144・430MHz

 TM833は430MHz/1200MHzのデュアル機、TM733は144/430のデュアル機です。生産終了です。データ端子はマイク端子の上の目隠しフタを開けると出てきます。
おすすめ度 ★
メリット

 特になし
デメリット
 
・WIRESノード局でトーンスケルチ運用不可
  TSQユニット装着と改造で可能
 ・トーンスケルチユニットオプション
 ・TM-833は変調がちょっと硬い
 ・スーパーナローFMには対応しない

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