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APRS
Automatic Packet Reporting System


VX-8で楽しむ!できる!APRS
VX-8Dが登場しましたが、操作や設定などは元祖VX-8と一緒です。

■APRSって何??

APRS(エーピーアールエス)とはAutomatic Packet Reporting Systemの略で WB4APR Bob Bruninga氏が提唱したもの。数十年前からあるアマチュア無線用のデータ通信「AX.25 パケット通信」を利用し、位置情報とあわせて、その他さまざまな情報をデータとして送受信したり、APRS対応局同士でメッセージのやりとりができる。さらに、インターネットを介してこれらのデータを伝送・共有したりインターネットサイトでその情報を綺麗な地図上で見ることも可能。現在、世界中の多くのアマチュア無線家が興味を持ち、新たにVX-8が登場した事により、これからますますAPRSユーザーが増加すると予想されている。





■VX-8で何ができるのか

VX-8ではAPRSの機能のうち、

  1. 位置情報(緯度経度高度・進行方向・移動スピード)とそれに付随するコメントの送受信
  2. メッセージの送受信(ネットを介したAPRS網の利用によるメッセージの送受信もOK)
  3. ウェザー情報ビーコンやオブジェクト・ビーコンなどの受信

に対応。これはAPRS網を利用し情報をやりとりするため移動体側でぜひ対応しておくと良いといわれている機能。そのほぼ全てを網羅している。一方で、デジピータやIGATEなどのインフラ系のシステムを構築するために必要な機能(内蔵TNCを直接コントロールする機能など)は省略されており、移動側向けの端末に必要な機能に絞る事で、購入しやすい価格設定を実現したようだ。
 現在、単体でAPRSの仕様にしっかり対応したリグで購入可能なものは「スタンダードのVX-8、ケンウッドのTM-D710(RC-D710)」のみ。APRSをしっかりと楽しみたいならVX-8やTM-D710がオススメだ。なお、I-GATEやデジピータなどのインフラ系のシステムを構築するには、アルインコのDR620やDR635EJ-50Uを装着したモノが候補となる。

VX-8でAPRSする場合の必需品

とにかく、GPSユニットがないと、APRSするにあたっては非常に面倒かつ不便。ぜひ、GPSレシーバ(FGPS-2)とマイク(MH-74A7A)または取り付けフォルダ(CT-136)を用意すべき。これを使えば、手放しで自動的に緯度経度を取得(測位)し、刻々と位置が変わる移動体からも簡単にビーコンを出すことができる。
 ぶっちゃけ、この手のオプションが小型で軽くて防水で、しかも「安い」のが素晴らしい。GPSレシーバーの感度については、手持ちの DeluoGPSより良いようだ。もちろん、クルマの助手席にVX-8にこのGPS付マイクを付けて転がしておくだけでもバッチリ測位してくれるのが嬉しい。

GPSレシーバユニット FGPS-2
マジで小さい!!

(↑上)純正外部マイク(MH-74A7A)とFGPS-2の組み合わせ。手のひらにスッポリ収まり、軽いのが特徴。音声での通話が多い人にオススメ。
(右→)FGPS-2とCT-136(取り付け金具)の組み合わせ。APRSフリークの間ではこの組み合わせが人気。すでにモービル機などを音声通話用に使っていて、VX-8をAPRS専用マシンとして活用する場合はこの組み合わせがオススメだ。

↑外部マイク端子を占有してしまうと困る場合は、Bluetoothヘッドセットの使用が適。また、他社のハンディ用ホイップを装着する場合は、GPSレシーバへの回り込みに注意。

■こんな感じで使っています


私の場合、こんな感じ(写真→)で車内に転がして使用する事がほとんど。WiRESアクセスが中心なので、これだけでも全国規模のQSOが可能。ただ、音声通信で5W連続は放熱の関係でキツいので、近々、ジャンクで入手した20Wのリニアアンプを手直しして接続する予定。APRSについては外部アンテナさえある程度の物を使えば5Wでも結構実用になるうえ、長距離を走ってもビーコン送信による発熱でパワーダウンした事はない。
 今はシンプルな1/4λホイップ(コメットM72S)を愛用中。アマチュア無線のアンテナにありがちなゴテゴテ感が出ない上、車を乗り換える際に、10分もあれば移設できる。これぞハンディ機+マグネット基台の組み合わせのメリットだ。

お仕事用のクルマでもAPRS&WiRES(^^;)

VX-8でAPRSするための手順

■まずは、VX-8のAPRS用の初期設定


VX-8のAPRS機能を利用するには初期設定でAPRS機能を動作させる必要があるので、その設定をおこなう。APRSビーコンの発射のOn/Offはワンタッチでできるので、以下の項目は、一度設定してしまえば、あとは放置でもOKだ。

  1. 「SET MODE」画面にする。
    ディスプレイに周波数が表示されている状態で、MENUキーを長押し
  2. VX-8の内蔵時計を設定する(98 TIME SET)
    ※GPSレシーバ(FGPS-2など)をすでに装着している場合はこの作業は省略可。
    通常のセットメニュー(周波数表示の状態でメニュー長押し)で設定。「設定」の所でV/Mキーを押すまでは設定が反映されないので要注意。
  3. 受信セーブ機能をOFFにする (79 SAVE RX)
    パケット通信受信時にSAVE機能が有効になっていると頭ギレが発生し復調できないので、それを防止するために、受信セーブ機能をOFFに設定する。
  4. 自局の位置(緯度・経度)を設定する(21 MY POSITION)
    ※GPSレシーバ(FGPS-2など)をすでに装着している場合はこの作業は省略可。
    自局の位置の設定方法はこちらを参照のこと。
  5. 「APRS SET MODE」画面にする。
    周波数表示の状態からMENUキーを1回以上押してディプレイがGPSまたはAPRS情報表示の状態でMENUキーを長押し
  6. 自局のコールサインを設定する(20 MY CALLSIGN)
    パケット通信で使うコールサインにはSSID(SecondaryStation Identifier)という構文があり JQ1YDA-7などのようにコールサインの後にハイフンに続けて数字を付すことで複数の局を同時に稼働できる。この”-7”の部分をSSIDと呼び、APRSではこのSSIDでビーコンを出す局の属性を表すことになっているのでそれに従って設定(表1)。 よって、VX-8ではSSIDナシ、−7〜−9、−14のいずれかを設定することになり。それ以外のSSIDはあり得ない。−7は徒歩での移動の場合に適し、自動車に常設して運用する場合は−9が良い。なお、徒歩での移動途中に、一時的に自動車や船での移動になった場合はその都度−9などに変更する必要はないようだ。
    (写真→)コールサインを設定している様子

    表1.SSIDの設定表 (VX-8の取扱説明書に記載されている内容)
    なし 固定局または固定局でのIGATE運用 −8 船舶での運用(マリンタイムモービル)
    −1 デジピータ。その他の固定局運用 −9 モービルでの運用
    −2 デジピータ。その他の固定局運用 −10 インターネット経由のみでの運用
    −3 デジピータ。その他の固定局運用 −11 APRS tpuch-toneユーザー(気球での運用も)
    −4 HFからVHFへのゲートウェイ運用 −12 ラップトップパソコンなど移動機器での運用
    −5 固定局以外でのIGATE局 −13 未定義
    −6 サテライト経由での運用 −14 トラックでの運用(トラックモービル)
    −7 VX-8、TH-D7などのハンディ機での運用 −15 HF帯での運用

  7. パケット通信用モデム(APRSビーコン送受信)の伝送スピードを設定する(4 APRS MODEM)
    VX-8の場合は1200bpsに設定。VX-8D/VX-8Gの場合は9600bpsのデコード率が改善されているそうなので、9600bpsで試してみるのも良い。APRS機能を利用しない場合(Bバンドを音声通信や受信用につかう場合)はOFFに設定。
  8. 自局のシンボルを設定する(22 MY SYMBOL)
    デフォルトは(現在のところ)VX-8の利用者を意味するYaesu Radiosになっている。これは、メーカがAPRSネットワークの主催者より指定を受けたものであるので、そのままでも問題はない。変更したい場合には、自局の状態にもっとも近いものを選択。固定局からビーコンを出す場合には House QTH(VHF)に。モービルの場合はCar、徒歩移動の場合Human/Personに設定すると良い。その他、Yacht(ヨット)、Bicycle(自転車)、Yaesu Radios(八重洲無線の無線機)などもある。この設定に従いAPRS地図サイトやアプリケーションにこれらの絵柄が表示される。自局の情報がこのシンボルと共に世界中に配信されるので、不適切なシンボルの設定は世界中に恥をさらすことになるたとえば、航空ファンだからとシンボルを飛行機に設定するような事をしては絶対ダメ。この局は変な局というレッテルを貼られ相手にされなくなるのがオチ。
  9. Bバンドに周波数を設定する
    IGATEが運用されている144.64、144.66MHzのいずれかにチューニングすると良い。実験的な運用や仲間内だけで利用するなどの場合にはIGATEが運用されていないそれ以外の周波数(但し、広帯域データ区分内)を利用すると安全。
    参考:APRSネットワークで使われている周波数
    1200bpsパケットによるもの144.66MHz
    9600bpsパケットによるもの144.64MHz
  10. 必要に応じて設定する項目
    1 APRS AF DUAL:ここをONにしておくとAPRSをONにしている時にBバンドに信号が入ってもラジオを中断しないのでAF DUAL機能を良く使う人はぜひONにすべし。
    7 APRS MUTE:APRSをONにしている時はBバンドのパケット通信の音声を出力しない。OFFにしている時は、Bバンドのボリューム設定に準ずる。これは好みに応じて設定。

APRSビーコンを受信してみよう

初期設定が終わった段階ですでに受信を開始しているので、あとは他局のビーコンが受信できれば、「ピポー」という音がして受信できた事がわかる。
 受信したビーコン(データ)を見るには、周波数表示の状態からMENUボタンを2回押すと受信した局のリスト(=ステーションリスト)が出る。リストから情報を見たい局をダイヤルつまみまたは▲▼キーで選択し、BANDキーを押すとその局の情報が表示される。情報は1画面に表示しきれていないので必要に応じて、ダイヤルつまみまたは▲▼キーでスクロールさせればOK。


↑ステーションリスト表示→周波数表示の状態からMENUキーを1回だけ押すとこれが出る。詳細を見るにはダイヤルつまみまたは▲▼キーでデータを見たい局を選択しBANDキーを押す。受信した局を自動的にリストアップし自動的にスクロールするので、APRS運用中は周波数表示ではなくこの状態で放置しておくと便利。40局まで記録され古いデータは自動的に消えてゆく。


↑ステーションリストの中からJA1AGS-7を選択し、BANDキーを押したところ(= 詳細表示)。選択した局についての自局からの方角と距離などの詳細が表示される。ダイヤルつまみまたは▲▼キーでスクロールして閲覧。

[詳細表示での操作キー]
MODE:カーソル移動(右)または編集終了
BAND:カーソル移動(左)または一つ前の状態に戻る
HM/RVキー:送信メッセージ編集 (詳細表示中の局にメッセージを送ることができる)

●受信した局の情報を削除する
(1)STATIONリスト画面から削除したい局を選択
(2)V/Mキーを押す
(3)DELETE? と表示されるので削除する場合はV/Mキー。キャンセルする場合はそれ以外のキーを押す。


APRSビーコンを送信してみよう

「APRSビーコンの送信」とは、一般的に自分の位置情報を送信すること。これにより、他の局の端末(VX-8やTM-D710など)やGoogle APRSマップなどに自分の位置が表示される。「他の局」とは送信したビーコンを受信(復調)できた局。「Google APRSマップに自分の位置を表示させる」には、I-GATE局まで自分のデータが届かないと結果は出ない。アマチュア無線なので、100%できるという保証はない。うまくゆくように色々と試行錯誤できるのがアマチュア無線というものだ。結果を出すには色々な方法がある。ただ、やってみなければ何も始まらない。
 とにかく、以下の初期設置をおこなったうえで、VX-8のBバンドを 144.64MHz(9600bpsの場合)または144.66MHz(1200bpsの場合)にチューニングしてビーコンを出し、http://aprs.fi を見てみることから始めよう。

(1)ビーコンを出すための初期設定

APRSビーコンの送信の前にAPRS SET MODE で以下の設定をおこなう必要がある。この設定は運用スタイルやオプションの接続状態などにより変更が必要となる場合もあるので、ぜひ覚えておきたい設定だ。


  • 位置情報の設定
    (21 MY POSITION)
    GPSユニットで測位した位置情報を送信する場合は「AUTO」に、手動で入力した位置情報を送信する場合は「LAT(緯度)/LON(経度)」にそれぞれ位置情報を入力する。
  • ビーコンの自動送信間隔の設定
    (12 BEACON INTERVAL)

    屋外に設置した外部アンテナをつないで固定局からビーコンを出すなどの場合は30min(分)。モービルや徒歩など移動局からビーコンを出す場合は2min(分)以上に設定。
  • ステータステキストの設定
    (13 BEACON STATUS TXT)

    位置情報と一緒に送信するコメントを設定。ここには、受信している周波数(433.00MHzなど)や受信しているWiRESのルーム番号などを明記しておくと、そのビーコンを受信した局が貴局と音声で交信するための手かがりを得る事ができる。英数字で入力。受信している周波数を知らせたい場合、周波数は文頭から書くと良い(AFRS機能に対応するため)
    例: 433.000MHz RX now! PSE call me!
    ヒント:最大60文字まで設定可能。21文字以内で設定するとFB。理由は、長いコメントはQSBなどの関係でデータの復調効率が下がるほか、他のAPRS対応トランシーバでは表示しきれない場合があるため。
    設定方法:
    1. 「13 BEACON STATS TEXT」を選択。
    2. ダイヤルツマミで番号を選択。
    3. MODEを押して編集画面へ
      [編集画面での操作キー]
       MODE カーソル移動(右)または編集終了
        BAND カーソル移動(左)または一つ前の状態に戻る
       ▲▼ 消去メニュー選択 → V/Mで消去確定
  • デジピートパスの設定
    (初期値: 1.WIDE1-1 2.WIDE2-1)
    移動局の場合は WIDE1-1 のみ。屋外の外部アンテナをつないいだ固定局の場合は、デジピートパスを全て消去するのが望ましいといわれている。設定がちょっと面倒なので、ビーコンの自動送信間隔を長めに設定すれば、とりあえず初期値でも良い。
  • 設定を変更してはならない部分
    23  POSITION COMMENT (初期値:Off Duty) は初期値のままでOK。
それ以外の設定は変更しなくてもOK。

(2)いよいよ ビーコンを送信する!

ビーコンの送信には以下のように2パターンあるので状況に応じて使い分ける。

  1. 手動送信
    ディスプレイが STATION LIST 、APRS MESSAGEの状態で、を押すとその度にビーコンが送信される。
  2. 自動送信 ※ディスプレイの左上に◎または○印が表示されている状態
    2 BEACON INTERVALで設定した時間毎に、ビーコンが自動的に送信される。自動送信解除は再びMODEキーを押す。自動送信の状態でも、を押すと、設定した送信間隔に関係なく強制的にビーコンを出すことができる。
(インターネットキー)がビーコン送信ボタン
手動送信モードでのビーコン送信はこのキー。自動送信モードでもこのキーを押すことで強制的にビーコンを送信する事もできる。

MODEキーでビーコンをON/OFFすると便利
ビーコンを出したくない場合には手動送信にしておき、ビーコンを出したい時だけ自動送信に設定するような使い方が便利。切り替えは、ディスプレイが STATION LIST またはAPRS MESSAGEの状態で、MODEキーを押すと交互に切り替わる。

写真→は自動送信をONにした状態。ディスプレイの左上に◎印が表示されている場合は自動送信モード。

地図上で自局の位置を見てみよう!

送信したビーコンがI-GATE局にキャッチされると、その内容はインターネット経由で、APRSサーバーまで届き、以下の図のようにWEBサイトでビーコンの内容や位置・移動軌跡など色々な情報を見ることができる。
 逆にI-GATE局までデータが届かないと、いくらビーコンを出しても、WEBサイトなどでは見ることができない。但し、これはAPRSサーバーにデータが到達せず見られないだけで、電波が届く範囲内でのAPRSユーザー同士の送受信(位置情報の送受信やメッセージ交換)は可能。
 残念ながら、キャッチしてくれるようなI-GATEがない場合には、自分でI-GATEを立てたり、デジピータ運用にチャレンジしてみよう。I-GATEのやりかた等の説明はこちら

↑Google APRS Maps での表示例 アドレス:http://aprs.fi
詳細を見たい局のシンボルをクリックすると、ビーコンステータステキストで設定した内容などが見られる。情報をクリックするとさらに詳しい情報が!


メッセージの送受信をやってみよう!

ビーコンを出す意味はアマチュア無線局同士のコミュニケーションのきっかけづくりの側面も強い。ビーコンを出し始めると、貴局の存在に気づいてメッセージを送ってくれる局もいるかもしれない。中には、近くを移動中なのでPhone(音声)でQSOしないかとかいう誘いがあったり、アイボールに結びついたり、という事例もある。VX-8にはそれらのメッセージ・コミュニケーションの機能も搭載されている。

●受信したメッセージを見てみる

メッセージを受信すると、「ピロピロ〜」という電子音とともに本体右上のストロボが点滅し、メッセージを受信した旨を知らせてくれる(自働的にポップアップする機能はない)。
 周波数表示の状態からMENUボタンを3回押すとAPRS MESSAGE画面になるので、見たいメッセージを選択しBANDキーを押すとメッセージ内容表示内容を見ることができる。


APRS MESSAGE 画面

BANDキーを押すとメッセージ内容が表示される。
受信メッセージに返信したい場合→HM/RVキー

●APRSメッセージの作成と送信

宛先の指定をおこなって、メッセージを入力し(インターネットキー)を押して送信。あて先の指定方法は3パターンあり、以下のとおり。いちいちコールサインを入力しなくても受信したビーコンやメッセージデータを選んでメッセージを出すことができる。

  1. 受信したメッセージに返信する場合
    メッセージの内容が表示されている状態でHM/RVを押す
  2. ビーコンを受信できた局に送信
    受信したビーコンの詳細表示(内容表示)の状態でHM/RVを押す
  3. 宛先コールサインも手動入力して送信
    APRS MESSAGE画面でHM/RVキーを押して宛先入力。続けてメッセージを入力

【参考】メッセージ編集時のキー操作

  • 文字の選択:ダイヤルツマミまたはキーボードで選択
    一文字入力するごとにカーソル移動のキーを押す。最大67文字
  • カーソル移動:[左]BAND ・MODE[右]
  • 文字削除:▲▼(CLEARを選択)+V/M
  • 一文字挿入:▲▼(INSERTを選択)+V/M
  • 定型文貼付:▲▼(MSGTXT1〜5を選択)+V/M ←※オススメ
  • 作成中断:HM/RVキー
  • 作成再開:APRS MESSAGE画面でHM/RV
  • 作成取消:▲▼キー(ALL CLEARを選択)+V/M
  • 送信:(インターネットキー)
※定型文はAPRS SET MODE の 6 APRS MSG TXT であらかじめ登録しておく。登録メッセージは TNX MSG (メッセージありがとう) などを登録しておくと便利。
※記号などキーボードから入力できない文字は、ダイヤルつまみを回すと出てくる(カナ漢字は使えない)

●メッセージを送信した結果

メッセージ送信後、相手局までメッセージが到達すると受信した事を示すデータ(アックノウレッジパケット=ACK)が返ってくる。VX-8ではこのACKが返ってくるまで間をあけて5回まで同じデータを再送信する仕様となっているが。電波伝搬の状況やデジピータ・IGATEなどの伝送ルートの関係でメッセージデータやACKのやりとりがうまくゆかない場合もある。
再送信の残り回数やACKの受信状態はAPRS MESSAGE画面で、コールサインと「送」の間に表示されるキャラクタを見て判断する。

●メッセージが相手に届いた

(↑上・写真)*印は送信成功(相手局にメッセージが届いた)
●メッセージが不着

(↑上・写真).(ドット)は相手局にメッセージが届かなかったという表示。但し、メッセージが届いていてもACKが返ってこないだけの場合がある。その場合もこの表示になる。
●再送信(リトライ)中


(←左・写真)
メッセージの送り先からACKが返ってこないので再送信を繰り返している様子。数字は「あと何回再送信するか」の回数。
5回再送信してもACKが返ってこない場合、上写真のように失敗した表示になる。

●メッセージを削除する

メッセージリストは送信分と受信分が新しい順に20件まで表示され、それを超えると古い順に自動的に消去されるが、手動で消去したい場合は以下のように操作する。

  1. APRS MESSAGEリスト画面にする
  2. 削除したいメッセージを選択しV/Mキーを押す
  3. DELETE? と表示されるので削除する場合はV/Mキー。キャンセルする場合はそれ以外のキーを押す。

●メッセージのやりとりにあたっての注意点

APRSは従来からあるAX.25パケット通信を利用していますから、パケット通信の設備さえあればメッセージもビーコンも誰もが受信(モニター)できますし、APRS地図サイトなどでも見ることができます。VX-8などの移動体側の端末では利便性を高めるため自局でやりとりするメッセージの表示のみとなっているケースが多いのですが、実際のメッセージのやりとりでは多くの人の目に触れる事を意識した内容を心掛ける必要があります。その他の注意点としては、

  • カナ漢字は原則として使わない
    日本局あてはローマ字でのやりとりが一般的(VX-8のメッセージ機能ではカナ漢字の送受信はできません)
  • メッセージは気持ち、短かめに
    Q符号やCWなどで使われる略語も積極的に利用されています。
  • モービル等からの返信は無理せず、あとから余裕をもって。
    シンボルやステータステキストの設定で貴局がモービルで運用している事が解るようにしておけば、メッセージを送る側でもすぐに返信がこない事を想定してメッセージを送ってくれます。
  • VX-8利用者あてのメッセージの文頭に「%」の文字は不要。
    文頭に%を付けると音声でメッセージを読み上げてくれる機能があるトランシーバ(音声ユニットオプション付きのTM-D710)などで音声が出ます。

以上。これだけ知っていれば、VX-8でAPRSネットワークが使える!という事を目標にページを作成しました。せっかくのハンディ機です。固定局で飾りにすることなく、VX-8をクルマに積んだり、フィールドに持ち出したりして、APRSでビーコンを出してみてください。多くの人の目にとまり、コミュニケーションの幅の広がりが期待できます。

なんとなく難しかった「GPSパケット通信」もここまで簡単にそして、ちょっとした投資で楽しめるようになりました。この機会に貴局も楽しいAPRSの世界へ足を踏み入れてみませんか?きっと新しい刺激を得られるはずです。

ご注意:このサイトあくまでもVX-8のいちユーザーとして設定方法の備忘録を兼ねて制作したものです。メーカーさんとは一切関係はございません。

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