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VoIPシステム同士ののゲートウェイ(相互乗入)について

各VoIPシステムのルール(ポリシー)に基づく結論から書きますと。(5月13日現在)
  • EchoLinkとパソコンから直接QRVできる他のVoIPネットワークの相互リンクは禁止。(5/31現在)
  • IRLPのリフレクタ(ルーム)と他VoIPネットワークの相互リンクは禁止
  • WiRESは特に定め無し。
  • eQSOは一定の条件のもと可。
という事になる事が解りました。以下、それぞれについて詳細を記します。なお、これらのポリシー(ルール)は各ネットワークシステム主宰者が任意に決定できる事項で、そのネットワークを使う場合はそれに従わなければなりません。

【追加情報】

5/31に確認したところ、EchoLinkと他のVoIPシステムのリンクに関して、以下のような表現に変わっています(事実上、緩和?)。要するにパソコンから直接アクセスする事ができるシステムとリンク禁止という表現に変わっています。となると、公にはパソコンから直接QRVできる仕様とはなっていないWiRES,IRLPはOKという事になりそうです。

5/31現在のEchoLink アクセスポリシー(抜粋)↓
  • For security reasons, it is also not permitted to interconnect EchoLink with other VoIP systems that support direct access from a computer.
[追記]
日本における無線設備の遠隔操作は「遠隔操作所と送信所でひとつの無線局を構成する」ものです。これはマイクケーブルと無線機のフロントパネルをつなぐ線を延長したものと考えると解りやすいと思います。以前は専用線(ケーブルなど)しか認められなかったものが、制御信号の伝送経路としてインターネットが利用可能になっただけの話しです。音声の伝送にVoIPを使っているとしても、公衆網接続局の定義とは明らかに異なるものですのでさすがにこれをEchoLinkでリンクを禁止している VoIPシステム と考えるのは妥当ではないと思います。


■EchoLinkネットワークと他のVoIPシステムのリンク運用について

注: 以下の情報は5/13現在の情報です。5/31現在の情報は上記、既報のとおりです。

2006/5/13に JI1UZM (杉本さん) からメールにて情報を頂戴し、念の為公式サイトを確認したところ、EchoLinkとeQSOやWiRES他のVoIPシステムの相互乗入(ゲートウェイ)はEchoLink側で禁止となっている事が判明しました。※いつからなったのかは不明です。
 個人的には、2年前、EchoLinkのサポートチームにWiRESとのゲートウェイについて打診した事があったのですが、その際は歓迎された記憶があります。想像の域を脱しませんが、最近の運用局数の増加にともないトラブルも散見されるようになった事から、このような方針になったものと思われます。

情報ソースは EchoLink公式ページ、http://www.echolink.org/access_policies.htm  の 項目4です。以下原文と訳文を表示します。


  • Stations operating in Sysop mode may interconnect EchoLink only with equipment operating on Amateur frequencies.  EchoLink does not permit use of the system with other services such as GMRS, FRS, or MARS.  It is also not permitted to interconnect EchoLink with other VoIP systems.

    (訳)
    SysopモードでEchoLinkに接続している局はアマチュアバンドで運用している局のみです。EchoLinkはGMRS、FRS、またはMARSなどの他のサービスによるシステムの使用はできません。 また、他のVoIP無線システムとEchoLinkを相互乗り入れ(ゲートウェイ)することも許されていません。
なお、これに反してゲートウェイ運用した場合には、予告なくEchoLink認証のキャンセルなどがおこなわれるようで、実際にそのような事例が5月上旬に頻発しました。

この件について、EchoLinkのシステム開発者であるK1RFDジョナサン氏に考え方を直接聞いてみたところ、長文で丁寧かつ詳細に回答してくれました。要約すると以下のとおりです。
  • EchoLinkはそのネットワークに参加している人たちが正式なアマチュア局である事を保証している。この件についてはパソコンからもネットワークに参加できるシステムの大原則でもあり、我々としては妥協しないと考えている。
  • 他のVoIPシステムはセキュリティ(認証方式)がEchoLinkと異なることから、我々と認証方法が異なるシステムとのゲートウェイ(リンク)は認めない。IRLPに関しては特別である。理由はEchoLinkネットワークスタッフ側で、IRLPがパソコンからQRVする方式は支持していない事などを調査・確認できた。WiRESに関しては調査確認していないので不明である。
この2点が基本姿勢です。要するにパソコンから直接ネットワークに参加する局は、EchoLInkからQRVする局に限るという事。そして、認証方法が異なるシステムとはEchoLinkネットワーク側で確認が採れていないモノに関してはリンクを認めない。という事です。

 それから、K1RFD氏からのQSPです。K1RFDはシステムとソフトウェアの作者でありますが、日々の管理運営には係っていないということです。具体的なシステム運営管理上は、VK2JTP、W1CDMを中核として構成されているボランティアサポートチームがおこなっているので、質問があれば、EchoLinkウェブサイトのSupportとFAQページにあるメールフォームを使っていただきたいとの事でした。

■eQSOと他VoIPのリンクについて

RF Gatewayヘルプに以下の記載があります。特にWiRES-eQSOのゲートウェイに関しては定めはないようです。

  • eQSO AND ECHOLINK

    eQSO shouldn't be linked with echolink unless you have permission from the person on echolink. If you link eQSO with echolink please make up your own room on the main eQSO server. 

    (訳)
    eQSOとEchoLinkをリンクする場合はEchoLink側の(リンク先のpersonの)許しがなければだめ。その場合でも、自分のルームを作ってリンクすること。

余談ですが、「何でもありのeQSO」という印象をうけるかもしれませんが、決して甘くはありません。たとえば、eQSOの101Englishルーム等メジャーなルームの管理チームのチェック体制は厳しく、コメント欄にQTHを書かなかった場合はアクセス拒否、ノイズやQRMを流した場合は速攻でミュート措置が講じられます。改善した旨を管理者にメールしないと、ミュートや拒否は解除されません。

■IRLPと他VoIPのリンクについて

EchoLinkとIRLPのリンクは、EchoIRLPという別ソフトで動作します。但し、EchoLinkのコンファレンスが使えない、ノードtoノードの接続に限られる(リフレクタの乗り入れができない)など、IRLP側のポリシーを尊重した仕様となっています。IRLPに関しては根拠の文章を探索中です。(どこかで見た記憶があるのですが・・・) ・・・・・と書いて、当ページを公開したところ、早速IRLPでの運用に熱心なJI1BQW局(石川さん)から情報を頂戴しました。内容は以下のとおりです。
  • IRLP公式ホームページの中の,さらに "IRLP Guideline" の中に,赤字で記述されてい
    ます。抜粋します。
  • Cross-linking other VoIP networks on IRLP reflectors is not allowed as very fe
    w non IRLP VoIP systems mute Station IDs, hang timers and courtesy tones. IRL
    P does not permit retransmission of any source that is not part of a users PTT
    transmission. With 20 or more repeaters connected together, sheer chaos woul
    d result if this hard rule was not enforced.
    (訳)
    他VoIPネットワークとの相互接続は,IRLPリフレクターでは許可されていません。それ
    は,非IRLP局の多くがステーションIDや,ハングタイマー,カーテシートーン等を有効
    にしたままになっているからです。IRLPでは,実際にユーザーがPTTを押すことにより
    発生する信号以外を流すことを禁じています。20以上のレピーターが接続されている状
    況では,このルールが厳密に守られないと混乱をきたすことになります。
さらに、EchoIRLPの形態に関しての考察がJI1BQW局のサイトのここに掲載されています。

余談ですが、リフレクタには、リフレクタ管理チームが構成されており、ローカルルールが定められWEB上で公開されているほか、リフレクタオーナー・リフレクターアドミニストレーター・リフレクターコップと呼ばれる人たちにより共同で管理されています。


2006年6月現在
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