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10m長の釣り竿ホイップ 実は、移動運用で釣り竿アンテナを使う、という事を半年前から計画。やっと実践できました! とにかく、設営・設置が楽!というのが特徴です。 移動運用のスタイルと言えば、写真2にあるようにロータリーダイポールを上げたり、ワイヤーダイポールを張ったりというのが定番で一見お手軽なように思いますが、いざやってみると・・・ ・風で方向が変わってしまう。(危険!) ・設営が結構面倒。 ・アンテナが重い!バランもあるので・・・ ・何だかんだいって調整が必要 ・ワイヤーでダイポールを張っても、逆Vになるか木登りしなければならない・・・それか、ポールを2本建てて本格的に張るか。 結局、ある程度、アンテナの地上高がないと打上角が高いという事もあって、垂直系のアンテナに興味が沸いたのです。 そこで、参考にしたのが釣り竿ホイップ。ATU(ロングワイヤー用オートマチックアンテナチューナー)と適当な長さのワイヤーアンテナでHF帯でオールバンドで運用できるというもの。アパマンハムにも人気だそうです。 しかし、垂直に展開するといっても、HF帯ですとそれ相当の長さのエレメントが必要です。最低でも5mは欲しい。それ以下でしたら、短縮率が高くなりモービルホイップと大差なくなってしまいます。そこで、探したのができる限り長い釣り竿です。ホームページで調べ、オークションで調べ、色々と調べた結果、有りました!何とハムショップで売ってました。横浜のハムランドというショップで無線家用に特注で作ったという10mの釣り竿が売られていたのです。しかも、カーボンではなくグラスファイバー製(写真3)。理想としていた逸品です。早速購入したのは言うまでもありません(笑) 10mの釣竿を垂直に建てる! あとは、この10mの釣り竿をどうやって建てるかです。 一番簡単なのはタイヤベースだ!という事で、手持ちのタイヤベース(ロケット本店で買ったヤツ)に差し込んでみようとすると・・・何と入らないではないですか。竿が太すぎたんです。外形寸法でφ46ミリあります。これは、50φ位のポールが入る大口径のタイヤベースを探さねばなりません。探しまくりましたが、メーカー製は高いです。平気で1万円をオーバーしてしまう。最終的にオークションでユニバーサルタイヤベースという個人のかたが作ったタイヤベースを購入しました。興味のあるかたは探してみましよう。売主のハンドメードで、6300円(送料別)です。しかも丈夫!その分重いですが、頑丈なので言うことなしですよ。オススメです。 アンテナの構成 一般的な釣り竿アンテナは、ATUと呼ばれるオートマチックアンテナチューナーを使用して、エレメントは釣り竿に這わせ、半ば無理矢理、適当な長さのワイヤーアンテナにマッチングを取って運用するというスタイルですが、エレメント長があまりに適当ですと、効率が落ちると良く言われています。今回は都合良く、10mの釣り竿が入手できましたので、エレメント用に10m長のワイヤーを用意しました。7MHz帯ですと丁度1/4λとなり、効率も良いだろうという期待からです。ワイヤーは市販のインターホン用のコードが安価かつ軽量でしたのでそれを使いました。しかも簡単に竿に巻き付いてくれますので便利です。ハダカの銅線や太いワイヤーですと不便だと思います。 アースはとても重要です。できればアース棒を使う事も考えましたが、道路端での移動運用の場合はアースが打てない場合がありますので、基本的にはアースはカウンターポイズで取ることにしました。これも同じく10m長です。邪道ですが、カウンターポイズのワイヤーは1本しか用意していません。でも充分に実用になっています。本当は太めのアース線用ケーブルを使用して、できるかぎり本数を多くして張ればもっと良好な結果が出るのでしょうが・・・。 早速試験だ! 常置場所の近くにある多摩川の河川敷で実験開始です。タイヤベースをセットして、ATUをとりあえず車の屋根の上に載せて、ワイヤーを竿に這わせて垂直展開。カウンターポイズは道路に這わせて終わりです。設営が早の何のって、5分とかからず設営完了。 まずは、7MHz帯でチューニングを取ってから受信。とても良く聞こえる!8J局(記念局)が出てパイルになっていたので、早速呼んでみました。1発でゲットです。やはりモービルホイップとはワケが違いますね。 7MHzで満足したので、今度は各バンドでマッチングが取れるかやってみました。結果は、、、何と回り込みが発生して、18MHz帯や21MHz帯で送信すると無線機の電源が落ちるは車のコンピューターが誤動作するはの大騒ぎ。 もともと、適当な長さのアンテナにマッチングを取ること自体都合が良すぎる話しですので、やはり何らかしらの不都合は出てくるものだ。という事で、ホームページでATUに関する記事を徹底的に調べてみました。 ATUにはコモンモード対策が必要 ホームページを見て回ってわかった事が、ATUを使用すると、同様の回り込み悩まされるケースが決して少なくないという事。どうやら、コモンモード電流というのが同軸ケーブルやコントロールケーブルに流れて、これが悪さしているケースが圧倒的に多い。という事がわかりました。そこで、徹底的に対策です。対策はCMF(コモンモードフィルター)の自作が効果的という事ですので、秋葉原のラジオセンター3階の部品屋でフェライトコアとラジオのバーアンテナのコアを購入して、同軸ケーブルはフェライトコアに7回巻き。コントロールケーブルはラジオのバーアンテナに徹底的に巻きました。この巻いた状態の物をコモンモードフィルター(CMF)と呼び、いずれも、無線機のそばとATUのそばにCMFを作ると良いとの事。そこでATU側の同軸ケーブルのCMFは3D2Vの同軸ケーブルを使用してATUの中にCMFごと内蔵してしまいました。なお、場合によっては、無線機の電源やマイクなどにも対策が必要との事でしたが、私の場合には対策をする必要がなく、上記のCMFのみで大丈夫です。 なお、AH4に付属している5m長のコントロールケーブルはシールド線ではないので、途中で切って、長めのシールド線に交換しました。 結果、18M、21Mでの回り込みは皆無となり、FBに運用できるようになったのです。 やはり原因は、コモンモード電流でした。恐るべしコモンモード電流! 気になる運用結果は・・・? この垂直釣竿アンテナを使って、 @標高はあるが、見晴らしは悪い場所 A標高はないが、見晴らしが良い場所 B障害物がほとんどない海の砂浜 で運用してみました。 最悪だったのは@の山間部。他方、一番良好な結果が出たのは、Bの砂浜です。しかも、カウンターポイズの一部が波打ち際で半分海水に浸かっていたという状態です。この時は、この10m程度の釣り竿ホイップで3.5MHz帯において59で入感している200〜500Wクラスの出力の局から、59のレポートを頂けた事はもとより、QSO中に「とても良く飛んでいるがどんなアンテナを使っているのか?」と聞かれるは、3.5MHzで移動局は珍しい、しかも強いという事で複数の局からブレークが入った程の飛びの良さでした。3.5MHz帯でしかも50W出力での話ですから、驚いたの何のって! 結果、見晴らしがよいロケーションであれば最高の威力を発揮するアンテナです。しかも、構造体が釣竿ですので、多少の風では折れる心配も無い。ただし、釣り竿のつなぎ目にラッチがないので、つなぎ目に水が入ると、突然、ジョイントの摩擦力が激減して竿が縮んでしまいますので、注意しましょう。雨天時や海沿いでの運用は要注意です。 ↑良好な結果が出た釣竿アンテナシステム ワイヤーは10mでヘリカルアンテナ状に吊竿に巻き付け8mに納めた。 海辺で運用して、風に強い事を実感。万が一倒壊しても相手が釣り竿であれば、ジュラルミン製ポールを使うよりも被害は少ない。 ためになるホームページ ■アパマンハムスタイル集 http://www02.so-net.ne.jp/~jj1vkl/ ATUの基本から応用まで詳しく載っています。特にCMFの製作方法はとても参考になります。 ■ATU活用他 http://ww5.tiki.ne.jp/~je4uli/hamf.html ATUの基礎から応用までとても解りやすく解説してあります。内容も豊富で、ここを見ればあなたもATUが欲しくなる事うけあいです! ■モノポールアンテナで遊ぼう http://plaza29.mbn.or.jp/~jk7tke/index.html ATUを使わない釣竿アンテナの事ならこちら。写真も豊富です。160mバンドのアンテナの紹介もあって、とってもタメになるページです。 強い海風でしなる釣竿アンテナ。釣竿は「しなって」あたり前。だから基礎ががっちりしていれば強風でも安心。 ただし、ジョイント部に水が入ると勝手に釣り竿が縮んでしまう事がある。もともと釣り竿は垂直に立てる物ではなかったのだった(笑)。 勝手に縮んでしまう・・・これをどう解決するかが、今後の課題なのです。 あと、落雷が怖い!上記のようなロケーションでカミナリが発生すると真っ先にエジキになる事でしょう。 |
10mの釣り竿ホイップで移動運用中の様子 竿の途中にある箱はATU 写真2:ロータリーダイポール(Radix,RDE40) 移動運用に便利な軽量DPでもしっかりと固定しないといげない。手軽そうに見えても、使いこなすにはそれなりの心構えが必要。調整も要。 写真3:横浜のハムショップ(ハムランド)で売られているハム用特注?釣竿(PG−ANT100)。長さ=10m。収納時は1.6m強なので、車の内法幅寸より微妙に長いが、何とか積める。長さはさる事ながら軽くてVYFB。 大口径対応のタイヤベース/yahooオークションでのみ購入可能と思われる。メーカー製より安い価格設定はとても良心的。しかも、4つのボルトで角度調節ができるのは涙がでる程嬉しい。但し重い。簡単なアンテナであれば、タイヤベースの自重で自立可能な程なので(笑)重さは欠点ではなく、かえって長所と言うべきか。 出品者のページ(出品しているとは限りません) ICOMのATU(AH−4) ATUのケースの中にRF系のCMFを内蔵した。下方の黒い棒はコントロールケーブルラインのCMF(フェライトバーに巻付) コントロールケーブルのCMF コントロールケーブルを10cm以上の長さのフェライトバー(AMラジオのバーアンテナのコアを流用)に徹底的に巻くだけの至って簡単な構造で効果絶大。無線機とATUの近くでそれぞれ巻く。 同軸ケーブルのCMF ドーナツの形をしたフェライトコア(FT140-43)に同軸ケーブルを7ターン〜8ターン程巻くだけ。無線機側のCMFは手持ちのモービル用コネクター付きの同軸ケーブルを使用。コネクターが脱着式なので、コネクターを外せばそのまま巻ける!3分で完成。ケーブルはRG58U(3D2V相当)。 設置設営が簡単にできるように、ATUから出るコントロールケーブルや同軸、そしてアンテナ・アースラインに至るまで全てコネクターで接続できるようにした。もちろん、コネクターとATUの間にはCMFが存在する。 ちなみに、コネクターは手持ちのマイクコネクタや安価なパソコン用Dsub9ピンコネクタ等を利用。固定局で利用する際には融着テープで防水処理をおこなう。 左:カウンターポイズ・右:エレメントのワイヤー(インターホン用コード)末端はギボシ端子をつけてあり、複数のエレメントを簡単につなぎ換える事ができる。 やはり垂直系アンテナは障害物が無い所で最高に威力を発揮するのだろう。(写真:北海道美瑛町) |
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