●はじめに 尚、ノートPCでノードを作る場合、停電時のOSの破損等を防ぎやすい といったのメリットがありますが、Linux-OSの場合、独自のリカバリー機能が某OSより強力であり、まず壊れません。従って利点としては『静粛性』『省電力』及び『話題性(^^;』以外に有りません。IRLPセットアップのみならず、その後の苦労、費やす費用を考えるとUPS等の無停電装置を利用したシステム構築の方が遥かに楽チンですし、オススメです。 ・ |
||||||||||||||||||
●IRLP(FedoraCore3ベース)をノートPCにセットアップした【訳】 「ノートPCなら何とか電力が抑えられるかも知れないなぁ〜」等と、呑気に思案していたところ、突然EchoLinkのノード用PCが昇天(汗)。 ・・・以前から調子の悪かったWiRESノード用のPCを、程度の良い中古PCに買い換えたのを契機に、システム入れ替えを検討していたところ、またまた吉澤氏の囁きが・・・。 「日本でノートPCにIRLPをセットアップしている人はまだ居ないみたいだし、もしかしたら世界でも前例がないかも・・・」 ・・・このひと言でアドレナリンが噴き出して、すんなり決心(爆)。EchoLinkノード用PCになる予定だったノートPCが、世界初(かも知れない・・・、でもきっと、本邦初!)ノートPCで動く、世界でも珍しいIRLPノード になっちゃいました。 ・ |
||||||||||||||||||
●ノートPCをオススメできない【訳】
1.X-Windowを使う場合は、ビデオカードはサポートされているか。 ・・・このふたつは、重要なファクターになってきますが、IRLPノードをセットアップするのに、1番は必要有りません。問題は2番です。 1.サウンドカードがサポートされていて、音声の入出力が可能。 ・・・某中古市場でもこれを確認してPCを買わないと、EchoLink等、他のVoIP系ノードPCにするしかなくなってしまいます。スペック的には問題ないのに、このふたつがダメだと、もう、どうしようもありません。 経験上、ノートPCにLinuxをインストールする場合で一番問題になるのは、やはり、グラフィックチップとサウンドチップだと思います。私のノートPCは以前、別のディストリビューション※でサウンドが鳴った経験があるので、『何とかなるだろう〜』と思って始めましたが、やはり、結構苦労する事になりました。 ※(Linuxにも色々と種類があり、色々なパッケージが発売されているが、個々の系統の違うパッケージを【ディストリビューション】と呼んでいる) ・ |
||||||||||||||||||
●・・・で、早速サウンドでハマってみました(汗)。 私のところへカナダから送られてきたパッケージCDは「FedoraCore3, CD-ROM version 5.08」です。サウンドドライバはALSA Sound ver.1.0.6がデフォルトで、ALSA公式の安定版(06年5月現在)は1.0.4です。 alsaconfで認識されるのにセットアップ中のサウンドテストで音が出ず、ちょっと不安ですが、とにかくセットアップを通常終了し、いざ音を出してみようと「soundtest.wav」を再生してみると・・・。案の定、鳴らそうと動作しているのは確認できますが、全く音が鳴りません(- -; Mixerの設定が悪いのかと思い何度かやってみても、全く改善されませんでした。 tar -xvf alsa-driver-xxx (ファイル全部!) と、手動でコンパイル、インストールしたところ、無事にスピーカーから音が再生されるようになりました。尚、コンパイルの途中でエラーが出るのは無視でOKです。・・・ちなみに一晩で出来ちゃったみたいに見えるかも知れませんが、たっぷり、5日悩みました。(^^; 尚、上記ALSAホームページで対応サウンドチップを確認できますので、ノード用にパソコンを買われる方はもちろんの事、これからインストールされる方は参考にして下さい。また、今回とは逆に最新版(β版)に書き換えると動く場合も有りますので、根気よく両方試してみるのも良いかも知れません。 ・ |
||||||||||||||||||
●ネットワーク、ちゃんと認識しますか?
デスクトップPCの場合、オススメ はREALTEKのチップを搭載したカードです。REALTEKのチップはカーネル一発認識出来るタイプがほとんどです。目印はチップに印刷された「カニ」のマーク。安いカードが多いので、不安でしたら2種類ぐらい買っても良いでしょう。モノによっては\1,000以下で手に入ります。 さて、我らがノートPC(笑)の場合は、ちょっと厄介です。 ・・・今回私が新たに用意したPCMCIAカードは、定評のある NetGear社のカードバスタイプです。実績もあり、何もしなくてもカーネル一発認識 しますのでオススメです。もちろん現行品で、\2,000程度で入手できると思います。 尚、ネットワークカードはLinuxOSインストール時に装着した状態で認識させておかないと、後で厄介な場合があります。注意して下さい。 ・ |
||||||||||||||||||
●ボードのケースと、電源の確保
6m等、低い周波数帯で運用される場合はアルミケースに入れ、ケーブル類をフェライト・コアで回り込み対策した方が良いでしょう。 IRLPボードは、PCの電源ラインからボードの電源コネクタ(メス)にコネクタを直接挿し、直接電源供給できる様になっています。デスクトップ型のPCの場合は,ここにHDD等に接続する4端子タイプの電源ケーブルを接続すれば、電源の配線は完了ですが、今回はノートPCのため、外付け用にケースを加工し、別に電源を供給してやる必要があります。 電源コネクタ部周辺の基盤スペースに余裕がありますので、写真のように、三端子レギュレータの7805をボードの電源コネクタ部に直付けしました。 4端子電源ケーブルはそれぞれ、黄−黒が+12Vライン、赤−黒が+5Vラインです。+12Vのラインは基盤上で完全に浮いているので、ここへ7805のIN(+12V)端子、隣のGND端子に7805のGND端子を、更にふたつ隣の+5Vの端子に7805のOUT(+5V出力)端子を接続し、各端子間に0.1μF程度のセラミックコンデンサを接続します。 ケーブルの赤−黒のラインは使わないうえ、ケース組込の時に邪魔になるので、最初からカットしておきます。このケーブルは、PCショップなどで¥400程度で売っている【二股の分配ケーブル】を流用しました。IRLPボードの電源をトランシーバと同じ13.8Vから供給することが可能で、わざわざ5VのACアダプタを用意せずに済むうえに、引き回しが楽です(^^) ・ |
||||||||||||||||||
●終わりに 既に数週間、この構成で運用を続けていますが未だトラブル無しで、今更ながらUnix系OSの安定性に感心しているところです。Windows2000サーバーの運用に携わった事もありますが、それとは違い、月・年単位の連続運用が可能なUnix系OSはVoIPノード運営には最適なOSだと改めて実感させられます。 IRLPのパッケージはIRLPノードに特化したカーネル構成になっていると聞きますが、ソースコードが付属してインストール出来れば、不要なデバイスを切り落とす事で、更に軽く、効率の良い動作が可能でしよう。残念ながら、現座のパッケージには付属してきませんが。 ・・・もちろん、インストールCDの初期状態でも、比較的ロー・スペックなCPUで運用可能です。 自分でシェルスクリプトを書けば多様なオプションを持たせる事も可能ですので、シェルスクリプトの経験さえ積めば、他の人のスクリプトを真似しながらでも、カスタマイズする『アマチュアならでは』の喜びを感じる事も出来ます。 まだまだ日本では少ないIRLPノードですが、これから多くの方がチャレンジされて、ノード数が増える事を期待しています。微力ながら、当吉澤氏HPの掲示板で諸先輩の方々に混じって、ご協力させていただくことも可能かと思いますので、ご質問などは掲示板の方でお願いいたします。 最後に、セットアップするにあたり、情報提供・ご助力を頂きました、JS1CYI・吉澤OM、JI1BQW・石川OMに、この場をお借りしまして御礼申し上げます。 2006年5月 伊藤 CopyRight(c)2006 By JG2TZW/1 Y. Ito & JQ1YDA TokyoWHC |
||||||||||||||||||