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レンタルシャック・サイパン編

このシャックは平成16年の未明にサービスを終了したとの事です。関係者皆様長い間お疲れさまでした。


 パラオで満喫した後は、徹夜で移動の後、サイパンのレンタルシャックに赴いた。こちらは高級ホテル。サイパンの北の方にある、マリアナ・リゾートホテルが持っているコテージ(いわゆる貸し別荘)がシャックになっている。いかにも4LDKの一戸建てを独占できるスタイルだ。
 デフォルトのアンテナはこの建物のすぐそばのタワーに付けられたEDC社のForce12、そして6mの9eleYAGIである。ローケーションも最高である。このアンテナだけでも、とりあえずは7〜50MHZ(WARC含む)に対応。さらにローバンドにQRVしたい場合には、自分でアンテナを貼る必要がある。というのも、建物西側に有る庭は広大で、全長40mのアンテナ(3.5MHz帯のツェップ)も余裕で張れるという素晴らしい所である。場合によっては自作のワイヤーアンテナを試す事もできるので、アンテナを作って遊ぶことだって可能だ。そのせいか、シャックには、アンテナ自作用の工具や10mのオバケポール、訪問者が寄付していったり、スタッフが用意した各種アンテナ(1.9MHzのワイヤーアンテナ等や各種ツェップアンテナ)もある。しかも、タワーに登った時用の案全帯まで準備してある。至れり尽くせりだ。なお、これらの機材は、無線をやるお客が来たときだけ部屋に運び込まれるので、セッティングは自分でやる必要がある。もちろん、タワーをクランクアップするのもセルフだ。

■グループでワイワイ
    家族全員で出かけて楽しむスタイルがベスト


 シャックからの眺めは緑の芝生の庭、そして、その先に見えるのは綺麗な南国の海である。この景色だけでも価値がある。来てよかったと思う事間違いなしである。
 建物は4LDKの一戸建。ちょっと古いのが珠にキズだが造りはしっかりしていて、広さは充分に有る。リビングに無線機を置いて、他の家族は部屋でゆっくり休むこともできるし、友人・知人と来ても、リビング以外にも部屋が4つあるので、プライバシーも守れるという按配だ。なかなかのものである。

ホテルのフロント。フロントの近くに売店やレストランも有る。ここを中心にビーチやゴルフ場、スパ、エステなどの施設が周りに広がる。レンタルシャックとホテルの間は車で送迎してくれるのでご安心を。なお、レンタルシャックには、飲物・食物が用意されていないので、近所にあるショッピングモールで買い出しをしてシャックに持ち込むべし! 無線に熱中しだすと買い出しに行くのも億劫になる。

金銭的に余裕の有る方はリーフサイド(新館)の部屋も借りると良い。無線をやらない人はそこで過ごすのも得策だ。とにかく部屋が広い上、バルコニーも有る。とても綺麗だ。フロントにも歩いて行けるので、便利である。

リーフサイドの部屋、バルコニーからの眺望。素晴らしい!!
リーフサイド棟へのエントランス(右側)とマリアナリゾート・スパへのアプローチ。

(写真) 別荘とアンテナ。アンテナはJAのほうに向けた状態で撮ってみた。要するにJAは海のある方向なので、JAのパスは最高である。HFの18,21,24MHzでQRP局やモービル局とも多数QSO。このロケーションだとリニアを炊くと強すぎてかえって逆効果かもしれない。JAの50W免許でも充分に楽しめるので3アマ局でも充分に満喫できる。但し、米国との運用承認制度の関係で特別な手続き無しで運用できるが、4アマ局はHFの運用ができないのでぜひ3アマ以上のライセンスを得てから出かけるか、4アマでもHFが運用できるパラオ共和国で運用するのがオススメだ。

ホテルのゴルフ場が付近から、シャックのある丘を眺めた所。あの丘の頂上付近に別荘とアンテナがあるのだ。(小さくて見えない・・・)

■日本から持参したいもの/現地にあるもの

部屋には、無線機一式のほか、必要な物がほとんど揃っているので、特に日本から持参するものはない。ハンディ機とノートパソコン、電池の充電器、デジカメをを持参した。もちろん、日本から持ってきた100V機器もほとんどそのまま利用可能。コンセントの形状も一緒だ。
 なお、ホテルには日本語を話すことができるスタッフも居るので安心だが、ホテルスタッフは無線の事に関しては何も解らない。現地に詳しいマニュアルも用意されているので、困った時にはそれを紐解こう。

上の写真は、部屋に運び込まれた無線機器、FT-1000MPやFT-920×2,FT-847,リニア、アンテナ類、工具、うちのシャックにある機材よりも遥かに充実している。本当に身ひとつで来て楽しめる。写真に写っていないが、アンテナやオバケポールも玄関先に運び込まれて居た。ワンボックス車1台分の機材である。さらには、レンタカーに取り付ける、マグネット基台とモービルホイップもある。島内買出し部隊との連絡網も構築できる。これら全てを活用するには、1週間程度滞在したほうが面白いかもしれない。


レンタル・シャックの無線機。YAESUの高級機FT-1000MPを使えてまたまた大満足。右側のFT-920にEDC社のエレキーをつないで50MHz帯でビーコンを発生。オープンに備える事ができる。

■サイパンでも家族サービスも忘れずに

ホテルにはビーチあり、プールあり、本格的なゴーカート用サーキット場あり、ゴルフ場もあります。また、現地でダイビングも楽しむ事ができます。(あらかじめ日本で予約しておくとFB)
 私たちは、ホテルの前に広がる遠浅のサンゴ礁の海でシュノーケリングを楽しみました。もう、言うことナシ。最高です。白い砂浜、海の中の綺麗なサカナたち。シュノーケリングセットも$10でレンタルできますので、それを借りて、海の中をのぞいて見てください。きっと良い思い出になる事でしょう。
 なお、私が海に出たときは、子供やお年寄りも海に入ってサカナを見ていました。浅いので子供でも大丈夫ですが、サンゴが固いので海の中で暴れるとケガをします。さらに、調子にのって沖の方に出ると、ウニや毒ヘビ、ベビーシャークが居ますので要注意です。あと、ナマコが沢山いますが、ナマコは無害。実は、ナマコが白い砂を作っているのです。

■シャックでの食事

 ホテルのレストランはそれなりに高いので毎日そこで食べるのはオススメできません。無料送迎バスを利用して街に出向き、スーパーマーケットで食材の買出しをする事をオススメします。シャックにはアメリカサイズの大型冷蔵庫や調理器具類がありますので、自炊をする事だってできます。
 そういえば、朝食に関しては、ホテルのレストランでテイクアウト可能な焼きたてのパン(8時に焼きあがる)を1個$1で売っています。朝ごはんが小食の人はこれで充分です。さらに、フロント近くの売店で売っているミルクもオススメ。焼きたてパンとミルクを買って部屋で食べるのも得策です。
 もしレンタカーを借りたなら、車を飛ばして Coffee Care(レストラン)まで足を伸ばすとよろしいかと思います。おいしいパンとコーヒーが味わえます。



↑ホテルのフロント近くのレストランで売っている焼きたてパンと売店で購入した濃厚ミルク。これがまたオイシイ!! 売店はそのレストランの隣に有ります。(パンは売り切れる事があるので、早めに買いに行こう)

■近所の観光と外食スポット

サイパンはとりわけ「田舎」だ、という声を耳にしていました。確かに、ホテルの周りには何もありません。車で10分以内の所ににホテルニッコー系のショッピングモールがあり、レストランからコンビニまで有ります。マリアナリゾートのホテルのレストランに飽きたら、このショッピングモール内にある、TONY ROMA'S というレストランがオススメ。こってこての洋食ですが、とりわけ ティーボーン・ステーキの味は最高です。とても大きなお肉を食べる事ができます。玉ねぎのフライも美味しい。非常にオススメです。食の相場は日本のファミレスと変わりませんが、量と味の点を考えると非常にお得です。あと、別の欄にも書きましたが、朝・昼・晩とおすすめなのが、Coffee Careというレストラン。ホテルから車で15分程と、ちょっと離れている関係で日本人の利用は少なくどちからというとマイナーですが、味はFBです。コーヒーとパン、そしてケーキがとてもオイシイ。もちろん、オムレツセットなども超おすすめです。パスタはちょっと油っぽいので好みが分かれるかもしれませんが、全体的に味はgood。おすすめです。ところで、サイパンのレストランランキングを見ると、マクドナルドが一番になっている事が多いのですが、これは日本でも馴染みが深いから、足を運びやすい関係でそうなっているのでしょう。サイパンまで来てマックはモッタイナイ。ただし、日本のマックにはないメニューがあるそうです。
 あと、島内観光ですが、サイパンの北という事だけあって、旧日本軍の最後の司令室などの史跡が近くにあります。初めての方は一度は足を運んでおいたほうがよろしいかと思います。



■まとめ

 何はともあれ、良い時代になりました。アメリカでの無線ライセンスの相互承認、そして、包括免許制度。この恩恵は多大です。また、レンタルシャックを現地に作り上げた日本のスタッフの方々に感謝です。とにかく、このサイパンのレンタルシャックはファンが多く、行った人のほどんどが「よかった」という感想を持って帰国して、また足を運ぶそうです。その証拠は現地の雑記帳(2冊)に記録されていますので、現地に行ったらぜひ目を通してみてください。
 なお、サイパンは無線人口が少ないので、パイルになる事間違いなし。そもそも、レンタルシャックのロケーションとアンテナが素晴らしいので、JAのモービルやQRP局とも楽にQSOできます。もちろん、4アマ局の10W出力でも充分です。要するにタクサンの局に聞こえるので、タクサンの局から呼んでもらえてパイルになるのです。もちろん、JAはもとよりヨーロッパからもド・パイルを受けるロケーションの良さは、パラオに続き、今あるレンタルシャックの中で最高レベルといっても過言ではないじょう。ぜひあなたも、この素晴らしい海外運用の入門編として「サイパンレンタルシャック」を体験してみてください。マルチバンドGPや短い釣竿アンテナで細々とHFを楽しむのと訳が違いますので、アマチュア無線の楽しさを満喫または再発見できる事間違いなしです。特にオススメしたいのは、免許を持っていてもほとんどQRVしていない方々やアパマンハムです。もちろん、無線に飽きたらリゾートだって満喫できます。

■サイパンレンタルシャックの手配や問い合わせ先

残念ながらサイパンレンタルシャックは、関係者のご事情などで閉鎖となりました。とても良い設備と環境だったのですが、残念です。また同地にこのようなシャックが構築される事を期待したいと思います。長い間お疲れさまでした。
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